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子供たち二人が続けざまにインフルエンザA型を発症。
先ずは兄貴から。
発熱、咳、鼻づまり、倦怠感を訴える。
◎治療1日目
■腹診
腎虚、肺虚、脾実、心実、肝平。
■脉状診
浮・数・実。
■比較脉診
腎虚、肺虚、脾実、心実、肝平。
■証決定
腎虚脾実証。
■適応側
左。
■本治法
□銀鍼1寸3分1番鍼にて左陰谷に補法。
検脉→腎充実。
肺も出た。
相剋経は心の実は治まったが脾の実が依然としてある。結果からつまり心は旺気実で脾は病実と言える。脉状が表す邪の種類は虚性の邪、程度は堅である。
□コバルト鍼1寸3分2番鍼にて右陰陵泉に堅に応ずる補中の瀉法。
検脉→脾の実が取れる。
陽経を診ると左関上浮かして胆の脉位に虚性の邪を触れる。
□胆経を切経して最も邪が客している右懸鐘に枯に応ずる補中の瀉法。
検脉→邪が取れ脉が整う。
 
■補助療法
□奇経治療。咳に対して孔最-照海に5壮-3壮で知熱灸。
■標治法
風邪の諸症状に対して大椎・風門に知熱灸7壮ずつ。←総合感冒薬的な効能があります。
■経過
咳がマシになる。

◎治療2日目
同様の治療で各症状緩和。

◎治療3日目
■本治法
左陰谷に補法。
■標治法
夜になるとまだもう少し熱が高くなるので手に水掻きの鍼。
■経過
全快。一週間登校できないので暇を持て余してバスケしたりゲームして過ごしています。
ホッとしたのも束の間、次は下の娘が同じくA型を発症。
発熱、節々の痛み(5歳なりに頭項強痛的なことを訴えている)、倦怠感。

■腹診
腎虚、肺虚、脾実、心実、肝平。
■脉状診
浮・数・実。
■比較脉診
未就学児は不可(母親への問診と腹診で証決定する)。
■証決定
腎虚証。
■適応側
右。
■本治法
小里てい鍼金メッキを右然谷に軽くあて気至るを度として徐に垂直に抜鍼、左右圧もかけず鍼口も閉じないてい鍼の補法の基本刺鍼を施す。
検脉→脉が落ち着く。
■標治法
□両手に水掻きの鍼。
□全身に気を巡らすように小児はり。
□最後に左後谿にちょこんと止め鍼。
■経過
同様の治療を3日間続けて全快。

長男同様暇を持て余してお絵描きにいそしんでいます。
終わりに
■インフルエンザはタミフルかイナビルが主攻を務めますが、鍼灸を併用すると楽に経過します。
東洋医学では外感病の病因病理に従って本質治療ができます。
研究ではインフルエンザは風湿病です。
■水掻きの鍼は解熱鎮痛効果がありますが、先ずは手だけにした方が危なげないです。
その見極めは手足の寒熱です。
だいたい手は熱くて足は冷たくなっています。
この場合は手だけにします。
足までやると却って発熱します。
手足ともに熱い場合は手足にしても大丈夫ですけ。
それでも初回は手だけにして様子を見ましょう。
足らずは足せますがやり過ぎは引けません。
水掻きの鍼の対象年齢は乳幼児~中学年の児童まで。
高学年の児童以上からは基本的には要りません。
ただし病体によってはやってあげた方がいい場合もあります。
中々熱が下がらないだとかその時々によって取捨選択してください。
大人にはもちろん要りません。
■手足の寒熱は予後の判定にも有意義です。
手足が熱い場合は邪正抗争真っ只中であり病勢はこれから上り坂です。
親御さんにはそのように伝えましょう。
でないと鍼をしているのに解熱しないとか熱が高くなったなどと言われます。
手が熱くて足が冷たい場合は下り坂です。
落ち着いていくでしょう。
■熱ですが、体温計にのる熱は肺の熱で、体温計にのらないのに熱い等は心の熱です。
前者は腎虚や肝虚肺実が中心になりますが腎虚でやる場合は肺をとばした方が危なげないです。
肺経には気を循環させて温める作用がありうかつにやると却って余計に発熱することがあります。
■太陽経に邪熱が停滞している場合は足を触ってより熱い側の膀胱経の金門の瀉法が的中することがあります。
小児ならてい鍼の尖った方で経に逆らってサッサッサッと2~3回なでれば十分事足ります。
高学年以上は毫鍼できちんと瀉しましょう。
陽明経の場合は大腸経の二間や三間、胃経なら豊隆だとか。
邪気の侵入経路によって病症に特徴が出てくるのでそれを根拠に何経を瀉法する可能性が高いかを検証してください。
外感病の経過を研究した『傷寒論』を鍼灸師が勉強しなければならない理由がここにあります。
■最後に入浴について。
発熱している間は入らない方がいいです。
入浴は体力はが要ります。
発汗すると体力が奪われます。
汗は白い血です。
血とは体力のストックです。
発汗は血虚です。
要らぬ体力を使うと後が怖いです。
発熱は邪正抗争のお知らせです。
ここに全体力を注ぐべきで入浴によって発汗して血虚を招くと生気が損なわれます。
生気の弱りに剰じて邪気が一気加勢してきます。
インフルエンザ脳症やインフルエンザ肺炎などへと重傷化する危険性があります。
入浴はくれぐれも気を付けてください。
大丈夫なこともの方が多いですが、この場合は最悪を想定して対処した方がいいでしょう。
我が家では治ってから入浴を許可しています。
汚れが気になったらタオルをお湯で絞って体を拭いてあげてください。

伝統医術は生気を守る医療です。
鍼灸治療の本質は、生気を補い生気を妨害する邪気を瀉すことにありますが、実はどちらも生気を守るのが目的です。
◎症例
■患者 80歳代男性
■現病歴 数年前から頭皮に凸凹があり皮膚科では頭皮の腫瘍とのこと。
あの手この手を尽くしたがいっこうによくならない。
生検では良性。
痒くも痛くもないがとにかく気になって仕方がないので何とかならないかとのこと。
◎脉作りの臨床における基盤作り
■Tポイントの外虚内実・外実内虚を異種金属の柳下てい鍼で調整。
■左脈会→右脈会を柳下てい鍼金メッキで補う。

◎診察診断。
■腹診
腎虚、肺虚、脾実、心実、肝平。
■脉状診
浮・数・虚。
■比較脉診
腎虚、肺虚、脾実、心実、肝平。
■証決定
腎虚証。
■適応側
病症に偏りなく男性であるため左側。

◎治療
■本治法
□銀鍼1寸3分1番鍼にて左復溜に補法→検脉すると腎は充実した。
□依然肺が虚しているので左尺沢に補法→検脉すると肺は充実した。
相剋の脾と心の実は治まった。
□陽経を診ると右尺中浮かして三焦の脉位に虚性の邪を触れるのでコバルト鍼1寸3分2番鍼にて三焦経を切経して最も邪が客している右四瀆に堅に応ずる補中の瀉法→邪がとれて脉が整う。
■標治法
◎経過
このような治療を継続してかなり頭皮の凸凹が平らになってきた。
現在継続治療中。
本日は公益社団法人大阪府鍼灸マッサージ師会/大阪府東洋療法協同組合新春祝賀パーティーにお招きにあずかりました。
学会および学術団体の長が招かれるのは初めてのこととお伺いし、大変名誉な機会をいただけたことを心より御礼申し上げます。
僕のような若輩者が栄えある場に呼んでいただけたのは、(一社)東洋はり医学会関西の代表を務めさせていただいている恩恵以外の何物でもありません。

法人設立までの長い道のりを初代支部長・現(一社)東洋はり医学会関西名誉会長宮脇優輝先生、二代目支部長・現(一社)東洋はり医学会関西監事古野忠光先生が毎年欠かさず新春祝賀パーティーにご出席され関係各団体の先生方に経絡治療の素晴らしさを新年のご挨拶を兼ねてお伝えくださり、我々後に続くものに繋いでくださったお陰です。
両先生と宮脇先生の奥様であられる宮脇ゆかり先生には深く感謝申し上げます。
とても嬉しいことがありました(*^^*)
パーティーに森大生1期生の二人が出席しており、新年から嬉しい再会となりました。
寺田所長やで!立派になった!!みなさん是非鍼はセイリンでよろしくお願いします。
草竹友華さんも開業して頑張っておられるとのこと。
教え子の活躍は何よりです。
6月に開催される(公社)全日本鍼灸学会の告知をされる同大会実行委員長・森ノ宮医療大学教授尾崎朋文先生。
壇上で万歳三唱を先導される(公社)大阪府鍼灸マッサージ師会会長並びに(公社)全日本鍼灸マッサージ師会会長伊藤久夫先生。
同師会理事役員の先生方。
素敵な時間を過ごさせていただきありがとうございました。
先生方におかれましてどうぞお疲れが出ませんように。
同師会副会長森下輝弘先生の閉会の辞で楽しい宴はおひらきとなりました。
森下先生は、AcuPOPJ(国民のための鍼灸医療推進機構)普及啓発作業部会委員としても全国を飛び回っておられます。
AcuPOPJでは卒後臨床研修講座の紹介をされておられます。
研修生の受け入れ先が追い付いていないのが実情とのことです。
卒後研修を希望される若い鍼灸師のために、みなさんの鍼灸院を是非研修施設として申請をしてあげてください。
よろしくお願いします。
詳しくは鍼灸netから↓
ここでようやく本題です。
鍼灸は本当に素晴らしい治療です。
鍼灸師は素晴らしい職業です。
ですが、その価値や存在意義は世の中の人に恐ろしいくらいに認知されていません。
超少子高齢化社会という切実な社会問題を抱える我が国において鍼灸師の社会的役割は大変に大きいと考えます。
ですが他の医療職に比べて蚊帳の外です。
本来は健康寿命を延ばせる、認知症を予防できる稀有な職種であるにも関わらずにです。
幾らいいものでも知ってもらわなければ何にもならないということです。

地域のみなさんにもっともっと知ってもらいましょう。
我がとこの町のみなさんにもっともっと知ってもらいましょう。
おらが村のみなさんにもっともっと知ってもらいましょう
そのためには自分には何ができるかを一人一人が考えなければなりません。
鍼灸会全体のことを考えて行動に移してください。

大小の広報を提案します。

自分が置かれている環境で精一杯患者さんに鍼灸の素晴らしさを伝えてください。
もちろん治療時間の長さや機をてらった過剰なおもてなしではなくあくまで鍼灸の治療効果で。
これは臨床による患者さんへの小さな広報です。

そして県下の鍼灸師会や鍼灸マッサージ師会に所属して師会主催の市民講座や県民講座やスポーツイベントでの鍼灸ボランティアなどがあれば是非積極的に参加して市民のみなさんや県民のみなさんにPRしてください。
これは不特定多数への大きな広報です。

また鍼灸師全体の底上げが必要です。
学術団体に所属して技能を磨きましょう。磨き続けましょう。
常に新しい学と術を仕入れてバージョンアップを絶やさないこと。
学会にもどんどん参加しましょう。
一人一人のレベルアップが国民の健康を担保します。

私たちはオーケストラです。
オーケストラは様々な楽器と演奏者で構成されるように、鍼灸も様々な流派と個性が在ります。
古典派もあれば現代派もあります。
医療鍼灸もあれば美容鍼灸もあります。
キュアもあればケアもあります。
だけど目的は1つです。
音楽家のみなさんが心震えるサウンドとハーモニーを我々オーディエンスに届けてくれるように、私たち鍼灸師は患者さんがより良く生きれるように鍼を打ちお灸をすえるのです。
正にそれは鍼灸界全体で奏でる美しいハーモニーです。

鍼灸オーケストラです。

オーケストラに流派もへったくれもありません。
主流も亜流もありません。
誰一人欠かせない戦力です。
国民のための鍼灸を担うにはこの発想は欠かせないと考えています。

鍼灸師は一生勉強です。
ですが難しいことを考えずに若者よ先ずは街へ繰り出そう!
鍼灸「オモロイ」から始めて、みんなで一緒に生活も心も豊かな鍼灸師に成りましょう‼
会場のホテルニューオータニ。
水上タクシー。
大阪城ホール。
昨日今日とドリカムの2days。
どうりで人が多かったわけだ。
大阪城は壮観です。
帰りはこの大阪ソールフードのこやつを買って愛すべき家族へのお土産です。
うちの奥さんと子供たちメッチャ好きなんです(^з^)-☆
◎症例
■患者 
母親
■現病歴 
昨日転けて右胸を打った。脾経の食竇・天谿、胆経の輒筋・淵腋ら辺が痛む。病院には行っていない。
◎脉作りの臨床における基盤作り 
■外虚内実側のTポイントに+、外実内虚側のTポイントに-に作用するように異種金属のてい鍼を超衛気の抵抗でとどめて補い気至るを度として徐に抜鍼。
■柳下てい鍼で右脈会左脈会を補う。
※脈会を使うと脉診だけでなく腹診も診やすくなります。必ず左右ともやってください。片方だけだと経絡調整になってしまいます。目的はあくまで脈会です。男は左右、女は右左の順で補います。

◎診察診断
■腹診
腎虚、肺虚、脾実、心実、肝平。
■脉状診
浮・数・虚。
■比較脉診
腎虚、肺虚、脾実、心実、肝平。
■証決定
四診を総合的に判断し最終的に脉証腹証一貫性に基づき腎虚証。
■適応側
①女性は右側を適応側とする。
②ただし病症に偏りがあれば症状のない健康側を適応側とする。
本症例の場合は右胸の痛みに偏っているため女性ではあるが健康側である左を取るべきである。
しかし発症してからまだ日が浅いため右側の生気は衰退するには至っておらずそのため健康側である左側から援護を送らずに患側で繰り広げられている邪正抗争に対して援護すべきと診て従来通り女性にとって気血がよく巡り生気の充実している右側を適応側とした。

◎治療
■本治法
銀寸三一番鍼で右復溜に補法→検脉すると腎は充実したが肺は未だ虚しているので右尺沢に補法→検脉すると肺は充実して相剋する脾と心の実が治まった。陽経を診ると左関上胆の脉位に虚性の邪が触れるので患側の右胆経を切経して最も実所見の強い外丘にコバルト寸三二番鍼で塵に応じる補中の瀉法→検脉して脉が整ったのを確認して本治法を終える。
→痛み少しマシ。
■補助療法
□奇経治療
痛む流注は脾経か胆経である。衝脉と帯脉にテスターを当てどっちの方が痛みが和らぐかを確認すると帯脉でマシになるので右臨泣-右外関に主穴に5壮、従穴に3壮知熱灸。施灸後に主穴に金粒、従穴に銀粒を貼付。
→痛みさらに少しマシ。
□子午治療
胆経が主になっているので子午陰陽関係の心経を選経。反対側の左通里に古代鍼を接触し補い気至るを度としてスッと抜鍼。抜鍼後知熱灸5壮。施灸後金粒を貼付。
→痛みさらにさらに少しマシ。
■標治法
□八卦皮内鍼法。
患部の最圧痛点に皮内鍼を仮止めし、痛みが和らぐ方角を確認、一番痛みが和らぐ左斜め下に向けて皮内鍼を固定。その上から知熱灸3壮。
→痛みさらにさらにさらに少しマシ。
■止め鍼
ドーゼを調節するため中脘・左天枢・右天枢・下腹部に補鍼。
■セーブ
次回まで治療効果を保存するため百会左斜め後に補鍼。

◎経過
■直後
症状軽減。
もし夜中にうずくようなら折れてるかもしれないので病院に行くように促す。
■翌日
痛みは増すことなく、マシになっている。
病院には行っていない。

◎考察
刺絡をするともっと早く治ると思います。
とにかく痛みの場合は患部の流注を見極めることです。
流注がわかれば鎮痛効果抜群の奇経や子午が使えます、あるいは共軛や剛柔も駆使できるでしょう。
末端の井穴から刺絡もできます。
本治法でも整脉力豊かに陰経を補うと主訴に関連する経絡に邪が浮いてきます。
これに脉状に応じて瀉法を加えると経過がいいです。急性で炎症が強いからといって実邪ばかりとは限りません。虚性の邪の場合もたくさんあります。もちろん和法が適中する場合だってあります。
瀉法における脉状、浮実・弦実・塵・枯・堅・気血の滞りをしっかりと鑑別してください。
サラシは巻いておいた方がいいでしょう。
心臓の下と横隔膜の上の部分。
身体の最も内側で薬も鍼も届かず病気の治しにくいところ。
胸部と腹部の間。

「膏」
白いあぶら肉のある心臓の下部。

「肓」
身体の内部のよく見えない場所。
横隔膜の上の隠れた部分。

膏の原は鳩尾。
肓の原は気海。
その兪は膏肓
!!!!まさかの急性胆のう炎!!!!

1月5日金曜日の朝お腹の痛みで目が覚めた。
どこが痛いのかよく分からないがじっとしていられない。
七転八倒とはこの事を言うのか?
様子を見かねた妻に諭され病院へ。
確かにとてもじゃないが臨床は無理である。
治療室にいるスタッフに当座の予約を全てキャンセルするように連絡して(快くお日にちを変更してくださり患者さまには感謝申し上げます。)妻の車に乗り込み胃腸科へ。
苦悶の表情を浮かべる筆者を見てただ事じゃないと感じたのか直ぐにベッドに案内されここで休んで診察を待つようにとのこと。
その間血圧測定と検温、特に問題なし。
しばらくして診察室へ。
最初胃腸炎を疑ったのか生物を食べてないか?嘔吐下痢はしていないか?を問われたが覚えなし。
診察台に寝かされて腹部の触診。
心窩部、臍周囲、下腹部を押さえられても痛くない。
取り敢えずエコー。
すると即座に「あっ胆のう炎やな」と。
確認で右季肋部に腹部打診をすると確かに響く。
診察の結果は急性胆のう炎!Σ(×_×;)!
エコーの画像を先生が説明してくれたが素人目にもハッキリと分かるくらい確かに胆石が確認できる。
これが原因らしい。
「今すぐ手術です。胆のうを取らなければなりません。」
先生の言葉に耳を疑った。
「えっ!?胆のう取るんですか?」
思わず聞き返してしまったが、胆のうをごっそり取らなければならないらしい。
以前は入院点滴で石を溶かしたらしいが、今の急性胆のう炎のガイドラインでは、石があって痛みがあれば取ることになっているとのこと。
取ってしまえば発作の再発がなくなるからだ。
石があっても痛みがなければ痛みが出るまで保存でいいらしいのだが・・・。
ここでは手術ができないとのことで消化器外科へ直で紹介の電話をしてくださり、紹介状を持って胃腸科をあとにした。

真っ直ぐに紹介された病院に向かわずに、一旦自宅に立ち寄った。
絶対に切りたくなかったので精密検査をする前に治療することにした。
発作時はとてもじゃないがそんな余裕はなかったが、不思議なことに先の胃腸科での診察中に右季肋部の腹部打診のあと、どういうわけか痛みが少しマシになり、何とか自分の体を診れそうにはなっていた。

治療

■先ず急なれば標を治せに従い、とにかく鎮痛である。
右鎖骨上窩の欠盆周辺の圧痛を探り、最も痛い穴にコバルト寸三二番鍼を接触、スーっと進めて抵抗に当たったらとどめて、鍼先が緩んだらポンッと抜鍼して鍼口を軽く塞ぐナソ治療を施す。
これをすると胆のうの腫れがひいて痛みが和らぎます。
■次いで奇経治療
胆のう炎には内関-公孫か通里-太衝か太衝-通里。
右季肋部の最も圧痛の強い穴に印をつけ、それが和らぐのを目安に各奇経パターンにテスターを貼って比べると通里-太衝が一番マシになる。
雑病では左通里-左太衝が定側ですが、今回は患側の右通里-右太衝に取った。
通里に金粒、太衝に銀粒を貼ってその上から通里に5壮、太衝に3壮知熱灸。
■次いで子午治療
患部を肝の領域と考えて子午陰陽関係に当たる小腸経を選経。
胆のうが右にあるので左小腸経の腕骨に金粒を貼ってその上から知熱灸7壮。
■そしてようやく本治法
胆のう炎は肝胆の実だから、本証は脾虚か肺虚。
腹診と脉診により脾虚肝実証とした。
胆のうが右にあるのでこちらを患側とし、健康側の左太白を柳下てい鍼で補う。検脉すると脾は充実していたが心がまだ虚しているので左大陵を補う。検脉すると心が充実し相剋する肝腎の実は治まり陽経にも特に邪はみられないのでこれでおく。

■最後に中カン・非適応側の天枢・適応側の天枢・下腹部に止め鍼。
止め鍼をするとドーゼの多少を調節してくれます。

■最後の最後に百会左斜め後ろを補う。
これをすると今日の治療効果を次回まで保存することができます。
ドラクエでいうセーブです。

■最後の最後の最後に検脉をして和緩を帯びたのを確認して終了。
この時すでに痛みはなくなっていました。

いざ病院へ。
検査の結果、胆のうはやや腫れているものの胆石は動いたのかCT、レントゲンでは分かりにくかったようです。
胆石が動いたために痛みが治まっているのではないか?とのこと。
血液検査は肝機能は高かったですが炎症反応は正常値でした。
現在痛みがないので手術はせずに様子を見ましょうとのこと。
入院はしなくて済みました。
胆汁の流れをよくする薬と胆管を広げる薬をいただいて自宅療養。
9日の火曜日にもう検査することに。
ただし、胆石発作が起こったら直ぐに受診してくださいとのこと。

痛みが再発すると今度は待ったなしで手術になるので、胆のうの炎症が完全にひくように再検査まで毎日朝昼番と左から脾虚肝実証で本治法、右欠盆にナソ治療、右通里-右太衝に奇経治療、左腕骨に子午治療を行いました。
そして、本日再検査。
あれから痛みがなく、画像でも胆のうの腫れが引いているので前回同様手術をする必要はないとのこと。
胆石とその上澄みがあるので3ヶ月後にまた検査することになりました。

考察

何はともあれ入院手術を回避できたことがもう何よりです。
幾つか勉強になったことがあります。

■教科書では胆のう炎の場合は右季肋部、右側腹部、右背部が痛むと習いましたが、あの時はお腹全体背中全体が悶絶するほど痛かったこと。
急性の腹痛でよくわからないものは画像診断が必要ですので即座に医療機関です。
■最初に受診した胃腸科で腹部の打診後に痛みが少しマシになったのは不思議でたまりませんでしたが、多分肝経の期門や胆経の日月に瀉的に作用したからではないかと考えます。
夢分流では脾募、肺尖に当たりますがここの邪を緩解させてくれたのでしょう。
皮膚刺激です。
やっぱり皮膚なんですよ。
最も気を動かせるステージは。
浅ければ浅いほど深いところにそして全身に影響するということです。
■今さらですが奇経と子午は痛みに対しては抜群に効きます。
即効性があります。
正経の治療と奇経治療の性質を比較すると次のようになります。
優劣はありませんが、緊急時には先ずは奇経です。
もちろん子午も。
そしてその効果を持続安定させるためには正経の調整が要ります。
奇経は何と言っても「宮脇奇経治療」です。
従来の八脉の足らずをスーパー4で補完しています。
この12パターンを「奇経腹診」で診察診断・適否・良否の判定ができます。
事実、手少陰脉の通里-太衝があったからこそ助かったわけですから。
■ということで、病体に応じて本治法、標治法、補助療法を、緩なれば本から急なれば標からあるいは取捨選択して施すべきであり、この多様性に富んだ本・標・補助三位一体の術式から成る東洋はり関西STYLEの経絡治療を学んで本当によかったなと思いました。
今回も助けられました。
お陰さまで早期回復することができました。
■本質治療も対症療法も両方大事です。
標治法なんて結局対症療法じゃないかと非難されることもしばしばありますが、違うんですよ!
車の両輪の如くで、どちらかが欠けると走れないのと同じで両方要るんですよ!!
経絡の阻滞と局所の阻滞と両方疏通した方が治りがいいのです!!!
■治療毎におならが出ておしっこがメチャメチャ出ました。
「気は水の母」だなと実感しました。
「気化すれば出ず」とか「水道を通調する」とありますが、気の性質、気と水の関係を分かっていれば水毒や水気病なんてのは解決できます。

胆石胆のう炎の病因病理

胆汁の成分から形作られた結石が胆のう内部に生じたのが胆石です。
つまり、胆汁の流れが悪くなると凝り固まって胆石ができます。

体の内外のありとあらゆる循環は気血水に依存しています。
胆汁の生成循環もこれに準拠します。

気が巡れば水が巡り水が巡れば血が巡り血が巡ればまた気が巡ります。

つまるところ、気血水が滞ると胆汁の流れも滞ります。
そして、瘀血という病理産物ができます。
胆石は瘀血です。
瘀血は血の停滞ですからその前に水の停滞と気の停滞があります。
気滞湿痰です。

気滞の原因は七情の乱れいわゆるストレスです。
湿痰の原因は暴飲暴食運動不足思慮過度です。
気滞あるいは湿痰があって気と水が停滞すると血が停滞して瘀血ができそれが高じて邪熱が発生して発病します。

ストレス(気滞)+生活習慣の不摂生(湿痰)=胆汁の停滞→胆石(瘀血)→胆のう炎(邪熱)

というのが発病に至るメカニズムです。
思い当たること満載です(^_^;)

胆石胆のう炎の鍼灸治療

◎発作時は急なれば標から治療します。
■標治法
□右欠盆周辺の最圧痛点にナソ治療。
■補助療法
□奇経治療。右内関-右公孫or右通里-右太衝or右太衝-右通里にテスターを貼って比べて痛みが最もマシになる奇経を選択する。
□子午治療。肝-小腸で左腕骨。
■本治法。左適応側の脾虚肝実証or肺虚肝実証。
※朝昼番あるいは頓服を飲むように3時間おきに治療します。

◎緩解期は緩なれば本から治療します。
■本治法。
■標治法。
□ナソ治療。
■補助療法。
□奇経治療。
□子午治療。

◎養生
■ストレスを溜めないことが気滞の解消。
■節度ある食生活と適度な運動と考えすぎないように心がけることが湿痰の解消。
■気滞と湿痰を解消することが瘀血の解消。
■油濃いものや味の濃いものを多食すると邪熱を温床します。

肝胆(きも)の大事

胆のうを取るメリットは、胆石発作が起こらなくなる、胆がんのリスクがなくなることですが、デメリットはきもがやられることです。
だから切りたくなかったのです。
肝も胆も共に「きも」と読みます。

■肝(きも)
□五臓の1つ。
□胆汁を作り血液を浄化し尿素を出す働
きをする器官。
□肝臓。
□漢方医学では全身の元気と張りをつける重要な内臓と考える。
□肝要(肝臓と腰→非常に大切なところ)
□肝は将軍の官謀慮出ず(素問・霊蘭秘典論)
□こころ。
□胸のうち。
□心肝(まごころ、また大事にすべき人)
□勇気や決断力。
□肝は肉+干で身体の中心となる幹の役目をするかん臓。
□樹木で枝と幹が相対する如く身体では肢(枝のように身体に生えた手や足)と肝とが相対する。
□肝膈、身体の奥深くにある肝臓と横隔膜。転じて本心のこと。
□肝心、肝臓と心臓。転じてこころのこと。
□肝腎、肝臓と腎臓。相応じて体力を保つ大切な器官。
□肝胆(膽)、肝臓と胆嚢。相応じて体力を保つ大切な器官。本当の考え。本心。肝と胆とはすぐ続いていることから肝胆相照らす。
□肝脳、肝臓と脳みそ。
□肝肺、肝臓と肺臓。転じてこころ。まごころ。
□肝脾、肝臓と脾臓。転じてこころ。

■胆(きも)
□肝臓が分泌した胆汁を蓄える器官。
□漢方医学では肝と胆が相連なって人体の安定と気力を保つ働きをすると考えた。
□胆嚢。
□胆は中正の官決断出ず(素問・霊蘭秘典論)
□ずっしりとした勇気や決断力。
□きもったま。
□胆略(勇気と智恵)
□器物の内部に設けられたもの。
□膽はずっしりと重く落ち着かせる役目を持つ内臓。
□胆はもと、あぶら、口紅の意。
□擔(=担、ずっしりと重い)・澹(静かに落ち着く)・檐(重みを支える軒)などと同系。
□胆気、物事を恐れずに行う気力。
□胆力、ずっしりと落ち着いた気力。物事に容易く驚いたり慌てたりしない気力。

ということで、真心(まごころ)や勇気の元締めがきもです。
きもが据わるとも言いますね。
機能を観る東洋医学独自の視点です。
臨床家はこの力を失うわけにはいかないのです。
植芝盛平や中村天風のような眼力はきもが据わらないとできません。
何度も何度も繰り返しますが、胆のうを切らずに済んでよかったです。

みなさまにはご心配をお掛けしたことをお詫び申し上げます。
心暖まるお言葉をたくさんいただきありがとうございました。

患者様におかれましては、せっかく治療を楽しみにしてくださっていたのにも関わらず体調管理の甘さからご迷惑をお掛けしたことをお詫び申し上げます。
快く予約の日時を変更してくださり感謝申し上げます。
僕の治療を中宮院を愛してくださるみなさんにもっともっと感動していただける治療をお届けできるように、今後は日々万全の体調で臨床に入れるように留意し、精一杯みなさんの健康をサポートさせていただきます。

療養中は、栄養士の妻が胆のうに負担がかからず、かつ体力を落とさないように精のつく献立を考えてくれて献身的に支えてくれました。
子供たちを含めやはり家族の存在は大きいです。

最後に、中野正得を支えてくださる全ての方々に今一度お詫びと感謝を申し上げます。
ありがとうございます。
今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

そして、いつも僕を支えてくれる愛すべき家族への感謝の言葉で結びとさせていただくことをご容赦ください。

ありがとう(^з^)-☆

男気の25秒― 世界3位名手の"ネット越え神救助"に称賛の嵐「一流の振る舞いだ」 | THE ANSWER スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト - (3)
超人が
その比類なき力を
使うのは
己のために
あらず
必ず
世のため
人のために
その力を
使うべし
しかしその際
決して忘れてはならぬことがひとつ
それは世のため人のため
超人が力を振るい闘う相手も
また超人が
救うべき「人」の中に
含まれているということである。
ゆえに世を救い人を救うという
行為の真理たるや
闘うべき相手をまず
救うことにあると心得るべし
その心を称して
私は「慈悲」と呼ぶ
これを我がキン肉王族の
家訓とすることを ここに残したい

ーキン肉星第56代大王
キン肉タツノリを言葉より
キン肉マン60巻より転載
以前の記事で誤診を回避するためには、誤治の被害を最小限度に抑えるためには、綿密な経過観察を欠かしてはならないとし、その要は患者さんの話をよく聴くことと手足の三陰三陽経の切経にあると説きました。

学びの書をご紹介させていただきます。
ズバリ『切経診』です。
おそらく切経の専門書としてここまで詳しい物は初めてではないでしょうか?
経絡治療における切経の専門書ですが、経絡治療家でなくても皮膚に重きをおいておられる治療家にとっては有意義な書だと思います。
僭越ながら、中野の研究も取り上げていただいています。
興味のある方は是非!
半日で読めるので医学書アレルギーの方でも大丈夫だと思います。
お正月休み真っ只中、治療室の片付けをし始めた矢先、妻からの着信?!
5歳の娘が突然お腹が痛いと言い出し吐いたとのことで帰宅。
顔面の気色は脾色抜け。
舌質淡白、舌苔薄白。
脉状は浮・数・堅。

取り敢えず脾虚と診て、小里てい鍼で右陰陵泉と右曲沢を補う。
これが本治法。
全身に気を巡らすように小児はり。
最後に左陽池に止め鍼をして終了。
しばらくすると昼寝をしだした。
昼寝から覚めてもう一度吐く。
少しスッキリした様子。
まだもう少しお腹がへんと言うので奇経治療。
左内関-右公孫に10壮-6壮で無熱灸。
&金銀粒貼付。
うつ伏せにして右七椎下脊際に金粒貼付。
直後元気になったのかスマホでYouTubeを見だした。
経絡治療とは、正経のみならず奇経を始め全ての経絡系統の調整を指します。
特に奇経治療は即効性があって重宝しています。

経絡治療については以下を参照してください。
奇経治療については以下を参照してください。
著書もお薦めです。
経絡治療と奇経治療に興味がある方にはこんなのがあります。
無熱灸については以下を参照してください。
痛くない鍼と熱くないお灸による経絡治療のお陰で子供たちも怖がらずに治療を受けてくれます。
いつも左の腎虚で治療している6歳の園児。
数日前から風邪を引いて咳が出るという。
パッと診たら肝虚肺実証に診えたので証を左の肝虚肺実証に変更して、小里てい鍼の尻尾の方で左の曲泉と陰谷を補って、小里てい鍼の頭の方で右の孔最~尺沢にかけてを瀉した。

次回来院時に経過を聞くと、風邪咳は治ったがここ最近毎晩お寝しょをするようになったとのこと。
これは誤治だと思い、先ず誤治調整を行う。
前回の肝虚肺実証の影響を消すために、左の尺沢と陰陵泉を補った。
翌朝お寝しょはしていなかったとのこと。

考察。
肝虚で治療して誤治になっています。
肝を補うと相剋する肺と脾が虚になります。
小便に関係するのは肺です。
肺は水の上源で水道を通調し小便の排泄を管理調節しています。
どうやら肝虚でない肝を補ったために、相剋する肺を虚さしめたがためにお寝しょという誤治反応が起こったと推測できます。
例え主訴愁訴がよくなっていても新しい症状を訴えた場合は誤治の可能性が高いです。
現在治療中の患者さんが新しい症状を訴えたら新しく訴えた症状に対してこちらも新しい治療を加えるのではなく、先ずはその前に前回の鍼の影響ではないかと疑って検証すべきです。

■訴えた症状は何経の変動か?
■前回鍼を入れた経との因果関係は?

その結果、誤治の可能性が高いのであれば誤治調整をします。
この思考を持たなければ、誤治の影響力がいつまでも残るばかりか、必要のない治療を加えて患者さんに余計な負担を与えることになります。
治療家は足し算の治療ではなく引き算の治療を先行すべきです。
誤治反応は経絡に鍼を入れた場合は強力で局所に行った治療で新病が出ることは先ずありません。
あったとしてもやり過ぎによるドーゼオーバーぐらいです。
経絡治療では本治法がその対象で標治法ではドーゼオーバーはあっても新病をこしらえるほどの影響力はありません。

誤治調整の方法ですが、本治法で補った経を剋する経を用いて相殺します。
用鍼はてい鍼を用います。
毫鍼ではスッキリと戻せません。
そして、戻してすぐに見直すのではなく、その日の本治法はそれでおいて、次回に見直します。
間違っても治療の上書きはやらないようにしましょう。
標治法や補助療法は普通にやってもらって大丈夫です。

生身の人間が人を診るわけですからやはり誤診することもあります。
誤診しないためには、診察診断の勉強をすることです。
また病症には裏表があります。
虚証もあれば実証もあります。
やはり、陰陽虚実を弁えて補瀉調整をすることが一番大事です。
そして毎回経過観察を綿密に行うことです。

誰でも簡単にできることは患者さんの話をよく聴くことと手足の三陰三陽経を切経することです。
話を聴く上で大事なことは何気ない世間話を聴き逃さないことです。
「今までそんなことなかったのに最近人の名前が覚えられなくて・・・。」
「打った覚えはないんだけど腕が痛いんだよね、昨日から。2日前に宛名書きをたくさんしたからかな?」
あーそうですかと、素通りせずに、それは自分の鍼の影響ではないかと真っ先に考えるのが治療家としての在るべき姿です。
治療後余計に悪化したとかしんどくなったというのはわかりやすい誤治ですが、何気ない世間話の中にも見逃せない重要なヒントが隠れています。
また、余りそうゆうことを気に止めていない患者さんや話したがらない患者さんであっても体が色々な情報を教えてくれます。
だから切経するのです。
蚊に噛まれたような痕がポツンポツンとありよく診ると大腸経上に列なっている、三焦経が凸凹している、腎経がえらくザラザラ乾燥している。
これらは虚実までは判別できませんが、明らかにその経絡に変動が生じているのが分かります。
例えば再診で診察すると膀胱経上に前回までは観られなかった湿疹が出現している、前回の治療をカルテで確認してみると肺経を補っている。
肺経に鍼を入れた影響力が子午陰陽関係に当たる膀胱経に影響したと考えるのが治療家思考です。
誤治を回避するためには、誤診しないように東洋医学に精通するまで勉強すること。
誤治の被害を最小限度に抑えるためには、患者さんの話をよく聴くことと手足の三陰三陽経を切経すること。
治療家は初診以降も綿密な観察を欠かさないこと、必ず前回の治療を検証することが何より大事です。

経絡に鍼を入れるということはそれだけ影響力があるということです。
だからあらゆる病気を治せるし、反対に治療家が病気をこしらえてしまうことも当然あります。
僕がお寝しょという病症を作ってしまったように(ゴメンね(>_<))

誤治はいただけませんが、最短で気づいて正治に導けたら誤治も治癒の過程となります。

患者さんは全てを教えてくれます。
正に先生です。
素直に学ぶことです。
教えに反すると残念な結果になるのは言うまでもありません。
みなさんのお役に立てればと思い、自分への戒めと兼ねて恥をさらさせていただきました。
ONE及び本Facebookをご覧くださっているみなさま、新年明けましておめでとうございます。
旧年中は本サイトの活動理念にご理解とご協力をいただき御礼申し上げます。

昨年、鍼灸師の鍼灸師による鍼灸師のためのウェブサイトを立ち上げたいという想いを実現すべく、ONEを立ち上げました。
お陰さまでたくさんの方々の賛同を得ることができ、ご愛読いただけことを心より感謝申し上げます。

本年も伝統医術の精神を正しく継承し、読者のみなさまの臨床に少しでも貢献できるよう、学術のさらなる発展に努めて参ります。
温かいご支援をいただきますようよろしくお願い申し上げます。

            ONE管理人
            中野正得
さて、鍼灸臨床専門家への道は一日にして成りません。
基本となる学術を来る日も来る日も繰り返し反復練習することが、唯一患者を病苦から救える鍼灸師に成れる最も確実で最短の道のりです。

僕は経絡治療鍼灸臨床専門家に成るために、十数年毎朝欠かさず、気の漏れない押し手作りのトレーニングと毫鍼とてい鍼の補法と瀉法の基本刺鍼を自分の体に鍼をして確認しています。
そして自己治療で本治法をして体調管理を行っています。

福島弘道先生の「善意よりも実力を」
この言葉が全てです。
また、積極性が大事です。
自ら進んでその道の熟達者、第一人者に教えを乞うべきです。
自分が属する流派や学術団体の先輩や指導者に積極的に質問しましょう。
その日の疑問はその日のうちに解決すべく取り組んでください。
明日やろうは馬鹿やろうです。
鍼という陰的な治療を行うわけですから陽的な人間に成る必要があります。
どこまでいっても陰陽調和が大事です。
そして、一本の鍼とひとつまみの艾で世に羽ばたくためには、基本的な勉強と基本的な技術と人間性を磨かなければなりません。
僕も未だ道の途中です。
1つのことをやり続けるのは本当に大変なことです。
この言葉を支えにしてきました。

心が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる

高校野球の指導者で有名な星稜高校の山下智茂元監督の名言です。 

志はやがて道になります。
その道を信じて打ち込んでください。
新年も特別な年である必要はありません。
引き続き精進するのみです。

◎症例①

■患者 義父。
■主訴 メニエール。
■現病歴 畑の消毒作業で疲労困憊になり翌朝発症。
ふらつき(肝風)、頚凝り(肝気逆)、目が開けてられない(陽虚)、吐き気(肝脾の失調)。

◎脉作りの臨床における基盤作り

■左Tポイントを補う。
■左脈会右脈会を補う。

◎診察診断

■経絡腹診 肺虚、脾虚、心実、肝実、腎平。
■奇経腹診 督脉。
■脉状診 沈・数・虚。
■比較脉診 肺虚、脾虚、心実、肝実、腎平。
■証決定 肺虚証。
■適応側 男性であり病症に偏りなく左。

◎治療

■本治法 銀寸三一番鍼で左太淵に補法→検脉→肺が出た。脾は依然虚しているので左太白に補法→検脉→脾が出た。相剋する心肝の実が治まる。陽経にも虚実はない。寸関尺が整う。
■補助療法
□宮脇奇経治療 後谿-申脈に金銀粒を貼付してその上から5壮3壮で知熱灸。
■標治法
□第1第2第3めまいふらつき点に刺鍼。
□左沢田流小腸兪に龍仙打鍼。

◎経過

症状軽快。

◎症例②

■患者 40歳代男性。 
■主訴 不眠。
■現病歴 数日前から足が火照って眠れない(腎精の不足と相火の大過)。

◎脉作りの臨床における基盤作り

■左Tポイントを補う。
■左脈会右脈会を補う。

◎診察診断

■経絡腹診 腎虚、肺虚、脾実、心実、肝平。
■脉状診 浮・数・虚。
■比較脉診 腎虚、肺虚、脾実、心実、肝平。
■証決定 腎虚証。
■適応側 男性であり病症に偏りなく左。

◎治療

■本治法 銀寸三一番鍼で左陰谷に補法→検脉→腎が出た。依然肺は虚しているので左尺沢に補法→検脉→肺が出た。相剋する脾の実は治まったが心に虚性の邪が在るので切経して最も反応がある右曲沢に堅に応じる補中の瀉法→検脉→心の実が治まる。陽経は特に何もなし。寸関尺が整う。
■標治法
□左沢田流小腸兪に龍仙打鍼。
□足底の最も硬くて熱い箇所に瀉法。
□全身に気を巡らすように散鍼。

◎経過

症状軽減。

◎症例③

■患者 50歳代女性
■主訴 肩関節痛(精血の不足)。 
■現病歴 今朝から突然左肩が挙がらなくなった。自動では1ミリも挙がらない。他動で15度いくかいかないか。

◎脉作りの臨床における基盤作り

■左Tポイントを補う。
■右脈会左脈会を補う。

◎診察診断

■経絡腹診 肝虚、腎虚、肺実、脾実、心平。
■奇経腹診 任脉。
■脉状診 浮・数・実。
■比較脉診 肝虚、腎虚、肺実、脾実、心平。
■証決定 肝虚証。
■適応側 女性であり病症が左に限局しているので本来は右であるが、肩関節は同側の肝が多いので左とした。

◎治療

■本治法 銀寸三一番鍼で左曲泉に補法→検脉→肝が出た。腎は依然虚しているので左陰谷に補法→検脉→腎が出た。相剋する肺脾の実が治まる。陽経にも邪はなく、寸関尺が整う。
■補助療法
□宮脇奇経治療 列缺-照海に金銀粒を貼付してその上から5壮3壮で知熱灸。
■標治法
□肩関節痛点(肩甲棘の外端)に刺鍼してパイオネックスzeroを貼付。

◎経過 

自動で90度まで挙がるようになる。
本治法で生気を補い、生気を妨害する邪気を瀉し、生命力を強化することを治療の第一とします。
そして、病体に応じた標治法ととびっきりの補助療法を適宜用いて、阻滞を疏通し症状の緩和をはかります。
本・標・補助からなる三位一体型の術式で、早期回復に努めるのが、『東洋はり関西STYLE』の経絡治療です。