乗り物よいと踵の痛みの鍼灸治療

PM9:30、本日最後の患者が来院。
とっくに臨床は終わっているが、明日バスケの遠征に行く息子の乗り物よいの治療。
乗り物よいだけでなく、今夜の練習で踵を痛めたらしくそれも治療してとのこと。

現病歴

練習中は感じなかったが練習後から痛くなった。
両方の踵だが左の方が痛いらしい。
確かに触ると左の踵の方が腫れている。

基盤作り

■距骨を矯正するために左右のアキレス腱反射の鈍い方でTポイントの圧痛の強い側に施術。
田頭先生曰く、距骨を矯正すれば→腓骨と脛骨が矯正され→骨盤が矯正され→背骨が矯正され→身体が真っ直ぐになり→自律神経が解放され→大地のエネルギーが足から抵抗なく入ってきて→治る身体の基盤が整います。

■次に脉診流に必須の脉を診やすくするために八会穴の脈会の太淵を中野式柳下てい鍼で補う。
男は左→右、女は右→左の順に本治法のように片方刺しではなく両方やります。
片方だけだと経絡調整になるからです。

診察診断

【経絡腹診】
脾最も虚、心次いで虚、肝最も実、腎次いで実、肺は平。
【宮脇奇経腹診】
陰キョウ脉。
【脉状診】
浮・数・実。
【比較脉診】
脾最も虚、心次いで虚、肝最も実、腎次いで実、肺は平。
【証決定】
脾虚証。
【適応側】
両足にまたがっているが左>右で痛みに左右差があるため痛みの強い左側を患側とし痛みの軽い右側を適応側とした。

治療

【本治法】
右太白、右大陵に補法。
→脉が整い、肌艶がよくなり、踵の痛みが軽減。
【補助療法】
宮脇奇経治療。左照海-右列缺に金銀粒を貼付。
→踵の痛みさらに軽減。
【標治法】
■宮脇先生私穴の尾踵穴にパイオネックスZEROを貼付。
→踵の痛みより軽減。
※尾踵穴については『よくわかる経絡治療』を熟読することをお奨めします。
踵の補助療法(照海-列缺)と標治法(尾踵穴)のツボの位置↓
ケガ予防を兼ねて左の沢田流小腸兪に龍仙打鍼を神気精で一閃。
→仙腸関節が揃いふくらはぎのはりが取れる。

経過

踵の痛みがよくなったので、明日の乗り物よいを回避するための治療。

酔い止め七穴

■左の内関ー(圧痛の強い側の)公孫に金銀粒を貼付。
■両足の中央厲兌に金粒を貼付。
■(圧痛の強い側の)外関に皮内鍼を貼付。
■両足の三陰交に皮内鍼を貼付。
※皮内鍼は経に対して直角に止める。
外関なら大腸経に向けるか小腸経に向けるか、三陰交なら腎経に向けるか肝経に向けるかを脉をモニタニングして脉状がよくなる方向を見極め、その向きに固定する。
これで明日は大丈夫(*^^*)

治療に使用した道具の一覧↓
基盤作りに使用した中野式柳下てい鍼。
本治法に使用した銀鍼寸三一番。
補助療法の宮脇奇経治療に使用した検査器のテスターと金銀粒。
標治法の尾踵穴に使用したパイオネックスZERO。
龍仙打鍼に使用した桜の木が材質の槌と真鍮のてい鍼。
酔い止め七穴に使用した皮内鍼とピンセットと皮内鍼用テープ。
踵の痛みは腎の変動です。
ただし、腎虚もあれば腎実もあります。
虚実を弁えて補瀉しなければ失敗します。

乗り物よいは胆が据わってない身体が動揺を受けると、中焦に不和を生じ濁陰を沈め清陽を昇らすことができずに気持ち悪くなります。
吐くか下すとよくなることからもそれが言えます。

チームムイトと遠征、友達とお出かけ、家族旅行など、道中不安なく楽しく過ごせるように送り出してあげたいものです。

鍼灸師の鍼灸師による鍼灸師のためのOWND ONE

鍼灸にはあらゆる流派や様式が在ります。 この多様性が日本鍼灸の優秀性のひとつだと感じています。 各流派に優劣は在りません。 それぞれに素晴らしい学術があり、互いに切磋琢磨する間柄です。 流派は違えど、患者を病苦から救うという同じ使命を持った鍼灸師に違いはありません。 元々1つです。 互いを認め高めあい、上工に成れるように、願いを込めてこの名前を付けました。 どうぞ、よろしくお願いします。