がん性疼痛に対する鍼灸治療

がんといえでも病因病理を解決するのが本質で治療の核の部分になります。
流派によって様々だと思いますが、経絡治療では本治法になります。
何らかの全身調整、全体治療で生命力の強化を図ることを第一とします。
ここに述べる治療法は流派を選ばず誰でもできるがん性疼痛に対する治療法です。
対症療法ですが、気血を調整する方法ですので即効性とそれなりに持続性があります。
少しでもお役に立てれば幸いです。

■膵臓がん
□奇経治療
左内関-左公孫か左公孫-左内関+左照海-右列缺に主穴に知熱灸5壮従穴に3壮、自宅で金銀粒貼付、ドライヤー灸(5秒間温めるのを1壮として)5壮3壮でセルフケア(痛む度に)。
陰維脉か衝脉かはテスターを貼って腹部や背中のはり違和感がより変化する方とします。
□子午治療
脾-三焦で右外関に太鍼(金鍼30番、古代鍼、中国鍼)を接触して補い、効果を持続させるために知熱灸5壮して金粒貼付、自宅でドライヤー灸5壮でセルフケア(痛む度に)。
□経絡頚腕調整療法
左鎖骨上窩、欠盆を中心に最圧痛点を探してい鍼を当て気至るを度として鍼を取る。気至るが分からない人は6呼吸接触し続けて取る。
□標治法
左膈兪の脊際に円皮鍼。

■食道がん
□奇経治療
照海(患側)-列缺(健側)か列缺(患側)-照海(健側)+内関(患側)-公孫(患側)か公孫(患側)-内関(患側)。
※腫瘍が左右どちら寄りにあるかである方を患側とします。
患側が分からなければ恥骨の高さで腹直筋の外縁を押さえて圧痛の強い側を患側とします。治療とセルフケアは上記と同じ。
□標治法
督脉上の反応点で患側の脊際に円皮鍼。

■前立腺がん
□奇経治療
照海(患側)-列缺(健側)+公孫(患側)-内関(患側)。

■肝臓・胆のうがん
□奇経治療
右通里-右太衝か右太衝-右通里か右内関-右公孫。
□子午治療
肝-小腸で左腕骨。
□経絡頚腕調整療法
右鎖骨上窩の最圧痛点。
□標治法
右膈兪脊際に円皮鍼。

■胃がん
□奇経治療
左列缺-右照海か左照海-右列缺+左内関-左公孫か左公孫-左内関。
□経絡頚腕調整療法
左鎖骨上窩の最圧痛点。
□標治法
左膈兪脊際に円皮鍼。

■虫垂がん
□奇経治療
右照海-左列缺+右陥谷-右合谷。

■肺がん
□奇経治療
照海(患側)-列缺(健側)+陥谷(患側)-合谷(患側)。

■大腸がん
□奇経治療
照海(患側)-列缺(健側)+陥谷(患側)-合谷(患側)。
※大腸出血がある場合はカネコ点に八卦皮内鍼法してその上から知熱灸3~5壮。
カネコ点は臍から左上前腸骨棘を結ぶ線上で棘から臍に向かい1/3のところを第1点、その上下を第2点第3点として最圧痛点を治療点とします。 

■肛門がん
□奇経治療
①孔最(健側)-照海(患側)。
②孔最(患側)-照海(健側)。
※孔最-照海は任脉の変法で、尺沢と曲池と孔最を結んだ三角形の中央かやや肘よりの陥凹部の中の圧痛硬結をこの場合の孔最とします。

■子宮がん
□奇経治療
照海(患側)-列缺(健側)+太衝(患側)-通里(患側)か公孫(患側)-内関(患側)。

■卵巣がん
□奇経治療
照海(患側)-列缺(健側)+太衝(患側)-通里(患側)か陥谷(患側)-合谷(患側)。

■乳がん
□奇経治療
照海(患側)-列缺(健側)+陥谷(患側)-合合(患側)。

■脳腫瘍
□奇経治療
照海(患側)-列缺(健側)+後谿(患側)-申脈(患側)。
※腫瘍の場所によってはえんげ障害が出るのでその場合は舌診して舌歪する側の内関-公孫をプラスします。

■膀胱がん
□奇経治療
照海(患側)-列缺(健側)+陥谷(患側)-合合(患側)。

■甲状腺がん
□奇経治療
照海(患側)-列缺(健側)+陥谷(患側)-合合(患側)。
□子午治療
患側と反対側の健側の蠡溝か大鐘。
患側が分からなければ人迎の圧痛の強い側を患側とします。

鍼灸師の鍼灸師による鍼灸師のためのOWND ONE

鍼灸にはあらゆる流派や様式が在ります。 この多様性が日本鍼灸の優秀性のひとつだと感じています。 各流派に優劣は在りません。 それぞれに素晴らしい学術があり、互いに切磋琢磨する間柄です。 流派は違えど、患者を病苦から救うという同じ使命を持った鍼灸師に違いはありません。 元々1つです。 互いを認め高めあい、上工に成れるように、願いを込めてこの名前を付けました。 どうぞ、よろしくお願いします。