肉離れ×脉診流経絡治療

☑患者 50代男性。
☑主訴 右足肉離れ。
☑現病歴 野球の試合中に負傷。大腿後面~内側にかけて痛い。患部を見ると腫れてバンバンに熱感があり、内出血している。右足を引きずって歩いてる。
☑経絡腹診 肝腎虚、肺脾実、心平。
☑脉状診 浮、数、虚。
☑比較脉診 肝腎虚、肺脾実、心平。
☑証決定 肝虚脾実証。
☑適応側の判定 病症が右側に偏っているので左。
☑本治法 左曲泉、左陰谷を補い、右関上沈めて脾の脉位に触れる虚性の邪に対して患側の右脾経を切経して最も邪気実の客している右陰陵泉より堅に応ずる補中の瀉法。
⏩普通に歩けるようになる。
☑補助療法 
✅宮脇奇経治療 宮脇奇経腹診®より、督脉+陽維脉と診断。患側の後谿-申脈+外関-臨宮に知熱灸5壮-3壮で奇経灸して金銀粒を貼付。
⏩痛みが軽減。
督脉と陽維脉の奇経腹診。
詳しくは↓
☑標治法 
✅炎症をひかす鍼 腫れている皮膚と正常な皮膚の境目を確認し、腫れている皮膚から正常な皮膚へ向けて、つまり実から虚へ向けて斜刺で等間隔に補鍼。
⏩熱感、痛みがさらに軽減。
✅八卦皮内鍼法 全体的な痛みが部分的な痛みに集約されてきたところで、最圧痛点を検出し、最も鎮痛できる方向から皮内鍼を貼付してその上から知熱灸3壮。
⏩さらに痛みが軽減。
☑止め鍼×セーブ鍼 中脘穴→非適応側の天枢→適応側の天枢→下腹部正中にの最も虚した箇所に火曳きの鍼→百会左斜め2~3㍉後ろの陥凹部に補鍼。
☑経過 痛みがかなり和らぎ普通に歩いて治療室を出られた。
☑反省と考察 肉離れこそ本治法で生命力の強化です。
最短で治ろうしてくれます。
炎症を引かせることが大事ですが、アイシングだけだと、内出血が冷え固まって“あの病理産物”を形成します。

そう、瘀血です。
これがあると治りが悪くなるだけでなく、後々悪さします。
最低でも肉離れ癖がつきます。
効果的な補助療法や標治法を加えてより早期回復をはかります。

今回はやってませんが、最も効果的なのは刺絡です。
一経変動なら子午治療、二経変動以上なら奇経治療で空間的にアプローチします。
局所の治療も大事です。
ポイントは患部から健康部へ向けて刺鍼することです。
患部へむけると、実をより実しめてしまいます。
熱感腫脹は実です。
実から虚へ促すことで炎症がひきます。
お灸で取り巻いても構いません。
おわりに
2020年東京五輪、2021年関西ワールドマスターズにむけて、参考にしていただければ幸いです。
せっかく世界中からたくさんの素晴らしいアスリートが来日されます。
是非来たときよりも元気になって帰っていただきましょう!
時短で効かせられる子午治療や奇経治療は、スポーツイベントとの相性が抜群です。
オリンピック関係各位のみなさま、是非選手村でケアされる鍼灸師の先生方に特化した講習会を開催していただけないでしょうか?私どもでよろしければ喜んで講師をお引き受けさせていただきます。
もちろん、持っているものを全て包み隠さず技術指導に当たらせていただく所存です。
ご依頼をお待ちしております。

ONE

鍼灸にはあらゆる流派や様式が在ります。 この多様性が日本鍼灸の優秀性のひとつだと 感じています。 各流派に優劣は在りません。 それぞれに素晴らしい学術があり、 互いに切磋琢磨する間柄です。 流派は違えど、患者を病苦から救うという同じ使命を持った鍼灸師に違いはありません。 元々1つです。 互いを認め高めあい、上工に成れるように、 願いを込めてこの名前を付けました。 どうぞ、よろしくお願いします。